第8回北海道乳腺超音波研究会 終了報告




日時: 2011年3月26日(土)  14:00〜16:30
会場: 札幌コンベンションセンター  206会議室 
受講者数: 93名

プログラム

   13:00 〜  (開場は13:30〜) 受 付 開 始 (相談会症例受付開始)
   14:00〜14:15 開会の辞
   14:15〜16:45(途中休憩設けます) 症 例 相 談 会
   16:45 閉会の辞


 このたびの東北地方太平洋沖地震において被災されました方々またその関係者の方に対し、心からお見舞いを申し上げます。この時期多くの学会や研究会が中止や自粛など内容の変更を余儀なくされている中、当会はその内容を検討した結果、開催に問題ないものと判断に至り、予定通り開催されました。当日は、ようやく春らしい天気に恵まれ、多くの皆様にお集まりいただきました。また、今回は初めて、事前に症例を募集せず当日持ち寄った症例を検討するという試みを行いました。どれだけの症例が集まるのか全く予測もつかないまま当日を迎えるのは多少不安でしたが、そんな気持ちを吹き飛ばすほど多くの症例が集まり、休憩時間にも席を立つ方が少ない程白熱した会となりました。
まずは勤医協札幌病院の高橋氏に症例を提示して頂きました。症例は3症例で、まず乳頭直下にある病変で腫瘤と読むべきか、否か判断に迷う症例が提示されどの様に読むべきかを会場の皆さんと共に考えました。
2症例目は、豊胸の目的で乳房内に注入された物質の大変興味深い画像を提示して頂きました。会場の皆さんも印象深かったものと考えます。
3症例目には触知所見と大きく異なるサイズの不整形な腫瘤に対して、どの様な病変が考えられるか、またこの様な場合の対処法や観察法について考えていました。
二人目は旭川赤十字病院の長尾氏が用意した症例で、1症例目はマンモグラフィでは指摘する場所はないが、USでは乳管内病変が考えられ、細胞診を施行したところ線維腺腫との判定であった症例を提示して頂きました。画像的に線維腺腫が考えられず、どう解釈すればよいかということでしたが、会場にいらっしゃった病理医の市原先生から病理の立場から細胞診診断はごく一部の細胞で判断を行うことよりこの場合、臨床情報、特に画像所見が細胞診の依頼書に記載されていれば臨床上の問題点に沿った解答を示すことが出来るであろうとのコメントを頂きました。
2症例目は腫瘤が脂肪織内に存在し、正常の乳腺像が認められない場合、前方境界線はどの様な時に所見としてとればよいか、またハローを認める腫瘤の計測の仕方、病理学的のサイズと画像サイズの不一致をどの様に解釈すればよいかなどの質問に対して、代表の考えと共に会場の皆さんの意見を交えて議論が行われました。
少しの休憩の後、続いて北海道健康管理センターの吹田氏が、施設内で困っている事項について大きく3つに分けて質問をプレゼン形式にして用意してくださいました。
一つ目は、サイズが5mm前後の腫瘤に対しての扱い方で、経過観察にはなるものの所見に対して施設からは診断名を記載せねばならず、この場合診断医によってバラバラになってしまうという検診施設での問題についてその取り扱いについてディスカッションしていきました。この様な病変の場合、様々な考え方が出され一つにまとめることは難しかったのですが、会場にいた多くの方達に共通していたのは、今回提示された小腫瘤は全て悪性を考えにくいと判定されたことでした。これは検診を行う上では非常に重要であり、5mm以下をあえて精査不要としたガイドラインの考えとも一致するものと考えられました。
二つ目は施設内で異常なしとされた症例で、画像的にはどうしても気になったが、それ以上の検査を行えず、会場の方達に教えて欲しいと考えた症例をいくつか提示してもらいました。吹田氏がおっしゃった通り会場でも精密検査を行うべきとする症例や、乳腺症と考えるといった結論になった症例など、恐らく日頃皆さん同じように遭遇した時に迷うであろう症例がいくつも提示され、大変参考になったのではないでしょうか?
三つ目はドプラの扱い方についてでした。どの様な病変に対してドプラを行えばよいのか?また、どの様な手法を用いればよいのか?普段知る機会の少ないドプラ法に対して少しでも解決できればとの思いで画像提示をして頂きました。ドプラ法の克服には諸先輩達のアドバイスも重要ですが各施設で使用している機器メーカーの方達にもアドバイス等協力してもらいながら解決していく必要があるとのコメントをフロアから頂きました。
続いて、勇気を持って画像提示をしてくださったのは、乳腺超音波検査を始めたばかりの室蘭市立総合病院の宮谷氏です。
男性乳腺についての症例でした。痛みがあり一週間抗生剤を服用後検査となった方の画像でした。左右差があり、どの様に所見をとればよいか。また、どの様な疾患を候補に挙げればよいのかなどを会場の方達と共に考え、結論を考えました。
この時点で既に時間となってしまい、症例提示は終了させて頂きました。
最後に全体を通しての質問に対して答える形で会は終了しました。はじめての試みで一体どうなることかと心配しましたが、やはり参加型を目指した会らしく皆さんで作り上げた会となりました。
次回第9回研究会でも新たな試みに挑戦し、多くの方達に参加して頂きたいと思います。ご期待ください。

北海道乳腺超音波研究会事務局


感想のコーナー

今回の会に対してたくさんの感想を頂きましたので、いくつか紹介させていただきます

病理のDrの話も聞けてよかったです。検診施設と病院とのレベルが同じになるように今後研究会で意見していけたらいいなと思ってます。
いろんな施設の画像を見ることが出来、とても面白かったし勉強になりました。乳腺症を考える際どこまでを精査とするのかというラインが難しいなと思いました。
しばらく検査からはなれていたのですが、多くのスライド、症例などで検査の進め方、考え方、読み方、レポートの書き方など感覚が戻ってきました。ありがとうございました。
今回のように症例を多数見れる機会があるのはとても良かったです。他施設の悩みも伝わってきて共感を持ちながら聞けました。病理との対比があるともっとうれしいです。
色々な症例がみられて勉強になりました。日頃悩んでいることはびまん性のlow echoを腫瘤ととるべきか単なる乳腺自体の性状の変化ととるべきかというところでしたので、今回の症例はとても役立ちます。ただ、ポイントを殴り書きしていて後から読むと何のことだったか症例と書いたことが結びつかない事も多いので、この症例の何を話したかというようなアドバイスまたはサマリーというか議事録のようなものがあればいいなと思いました。
各施設の今まで見逃した症例や反省症例など見てみたい。勉強になりました。ありがとうございました。
機器設定について更に勉強したいと思いました。

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