第27回北海道乳腺超音波研究会終了報告


 2022年12月16日19時からZoomにて、第27回北海道乳腺超音波研究会を開催致しました。参加人数は38名と前回に続き、多くの皆様にご参加いただきました。今回は質問、症例共に石灰化に纏わるものだったため、テーマを石灰化として症例検討と質問回答の順に行われました。第一部の症例検討は、当会世話人でもある勤医協中央病院の高橋智子さんが担当されました。
 1症例目は、沢山の粗大石灰化病変に対するUSの見方についてで、陳旧性の線維腺腫が乳房全体にたくさんある場合、検査で乳癌を見つけ出すことがとても難しいことや、実際に検査を行うときの心構えなど、現場で感じていることを率直にお話しして頂きました。2症例目は、80代の石灰化症例で、MMG上区域性に線状石灰化が認められ、USでも同部位に石灰化を認めたため、悪性を疑い精密検査を行ったところ、萎縮性乳腺であったというものでした。以前は線状の石灰化は悪性の典型的な所見とされてきましたが、そうではないものもあるということを学びました。3症例目は、これぞ乳癌の典型的な石灰化という症例でしたが、癌の石灰化にどのような特徴があるのかを知るのに良い症例となりました。最後の症例は、大変貴重な症例で、一見乳腺内の石灰化のように見えましたが、実は皮膚にある石灰化の症例で、後にSLEを患っている妊娠期の症例であることがわかり、一度目にすると忘れられないような特徴を持った画像であり、参加者の心と目に焼き付いたのではないかと思われます。このようにそれぞれ、異なった成り立ちの石灰化病変を症例検討の形式で紹介していただきました。
 第2部は、こちらも当会世話人で札幌厚生病院の中谷詩世さんから頂いた質問で、ご自身の施設に於いて判断に迷った石灰化病変について、どのようなカテゴリー分類で報告するのが良いのかという内容のものでしたが、これに対して、参加者の皆さんはどのように考えたかを投票形式でご回答して頂きました。石灰化を判定するポイントとして、石灰化周囲に低エコー域が存在しているかどうかが重要であり、存在している場合は周囲の乳管内に腫瘍細胞が充満している可能性がある事より、悪性寄りに考えるといったそれぞれの石灰化の成り立ちの説明し、乳癌の石灰化症例がいくつか提示され、具体的にどのような画像を呈しているのかを解説されました。その後、代表から、今回の症例に対してどのような判定を行ったかの解説がありました。また最後に、質問者の中谷さんから、その後の病理所見について、解説をしていただき、結果的には悪性であり、石灰化として描出されたものはいわゆる石灰化のみならず、壊死物質も含まれていた事、またBモード像のみでは病変全てを把握することが難しかったことなどを解説頂きました。
 その後、全体を通しての質問時間が設けられ、乳癌症例の解説の時に示されたドプラ画像について、石灰化でよく見かけるアーチファクトではないか?という質問に対し、アーチファクトも認められるが、その他にしっかりと血流であると判断できる画像が描出されていることについて解説がありました。その他にも石灰化に関する質問が続き、なかなか区別は難しい石灰化に関わるカテゴリーの考え方に対して解説が行われました。
 このように今回も、活気のある勉強会であったと思います。今後も、このような会を定期的に行っていけたらと考えております。次回をお楽しみにしていてください。

アンケート集計 11名回答

アンケートグラフ
感想および質問 8件の回答
石灰化はなかなか読影が難しい場合があり、症例を見せていただいて、参考になりました。周囲の低エコーに関する解釈の解説もよかったです
乳腺超音波研究会ならでは有意義な勉強会でした。これで乳腺症の石灰化とDCISの鑑別が出来そうです。白井先生は流石です。
いつも、ワクワクしながらこの勉強会に参加させていただいています。ありがとうございます!!
イラストが分かりやすかったです
企画の内容は、事前に告知したほうがよいのでは?この内容なら絶対に参加したいなど、参加の判断がしやすいかなと思います
拡張乳管内に点状高エコーのみしかない場合カテゴリー4がつく事は、第4版には書かれてはいるものの、細かい記載や画像としては掲載されてなく、実際に見たことがなかったので勉強になりました。
石灰化にも色々なバリエーションがあるなと思いました。 今まで経験したことのない症例を共有していただいて、大変勉強になりました。
一度見ると忘れられないですが、知識がないとどう記録を残すべきか、またどう読影医へ伝えたらよいか迷うものばかりでした。 観察ポイントやレポートの書き方が参考になりました。
画像、動画を使った症例検討が凄く勉強になるし、とても面白いです。 自施設は腹部と心臓エコーがメインなため、乳腺は件数が少なく経験がまだまだです。自分の未熟さも感じ、もっと勉強しないと思いました。

今後の研究会で取り上げてほしいテーマがありましたらご記入ください 6件の回答

限局性低エコー域(再発乳癌との鑑別)
粗大石灰化と点状高エコーの違いについて。成り立ちとか知りたいです。どの程度の大きさから粗大石灰化としていいのか、個人で差がみられ、カテゴリーが変わってくるので。
混合性腫瘤に対するUSガイド下FNA.CNBのコツ
年齢を考慮したカテゴリー判定
エラストグラフィーとFLRについて。エラストをかけるときのコツなどあれば知りたいです。
今回のような結果までわかる症例提示と観察ポイント


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