第19回北海道乳腺超音波研究会終了報告


2016年8月27日(土) 14:00〜16:30 JA北海道厚生連 札幌厚生病院

プログラム

13:00〜
( 開場は13:30 〜 )
受 付 開 始
line
14:00〜14:10 開 会 の 辞 ・ 会 計 報 告
line
14:10〜15:10 マルチモダリティについて
line
15:10〜15:20 休憩
line
15:20〜16:30 症例検討
line
16:30 閉会の辞


 天気にも恵まれ、爽やかな北海道の夏の終わりが近づく2016年8月27日(土)にJA北海道厚生連札幌厚生病院で行われました。
参加者は37名ということもあり、研究会はアットホームな雰囲気で行われました。
今回は「乳腺画像検査のマルチモダリティ活用法」とのテーマでGEヘルスケア・ジャパン株式会社 X-ray営業推進部の東尾良介さんにご講演していただきました。乳がん検診の最近の傾向として全員一律の検診から一人一人のリスクに応じた個別化検診に向けた動きがあります。そこで乳癌検診の感度向上を目指したモダリティとして@乳房自動超音波画像診断装置Invenia ABUSA3次元乳腺密度自動評価ソフトウエアB造影マンモグラフィーCトモシンセシスが現在追加モダリティとして使用されています。その中でInvenia AInvenia ABUSは乳癌の「個別化」に対応するソリューションとして紹介されました。また今後の流れの一つとしてデンスブレストの判定をボルパラというデジタル・マンモグラフィのRawデータを3次元解析し、一定濃度以上の乳腺密度の人たちには超音波を組み合わせることで乳がんの見逃しを防ぐことができるという事で、超音波検査に携わる私たちも今から注目したい装置だと思いました。アメリカでは既に24の州において州法として、マンモグラフィーの乳腺密度の評価を行い、高い場合には他のモダリティによる検査を勧める事が義務づけられており、日本との違いを知りました。
造影マンモグラフィーは造影剤を使うデメリットはあるものの、乳腺濃度に依存することなく新生血管の情報が得られ、新たな診断情報としての展開が期待できるとのことでした。
またトモシンセンスは構築の乱れや腫瘤周辺の評価に優れており、特に検診の現場での感度の向上に役立つと期待されており、偽陽性の減少効果も報告されているとのことでした。
これらの乳腺画像診断の新しいモダリティが紹介され、臨床に登場し活用されつつあることを学びました。また各モダリティの特徴と総合診断の重要性を知ることができた講演だったと思います。
毎回好評の症例検討会は内容の充実した3症例を行いました。
1症例目は天使病院の佐々木則子さんに男性乳癌の症例をご提示していただきました。症例は男性乳癌の典型例でその特徴を理解するにはとても良いものと評価され、USで疑った組織型、乳頭腺管癌と病理報告の硬癌との違いがあったとの反省に関しては、代表より病理診断に用いられる判定と画像に反映される組織型には大きな違いがある事が説明され、したがって今回の判定においてUSが報告した組織型は決して大きく異なったものではない事もコメントされました。
2症例目は札幌ことに乳腺クリニックの藤澤純子さんで、いくつか小さい腫瘤を提示していただき、乳癌と診断がつく腫瘤はどれだけあるのかを検討してゆきました。日々小腫瘤に迷いながら検査していることが多く、良悪の鑑別に苦慮する症例も少なくないため、参考になった方も多いと思います。また、白井代表から「1p以下の乳がんにおける画像の特徴」ということでミニレクチャーもあり判定項目の形状と境界部が大切な項目だとのお話がありました。経過観察中においては、@サイズ変化A内部エコーの変化Bドプラ血流像の変化についても注意が必要であるという補足説明がありました。1p以下の腫瘤が乳がんであっても、いずれも急速増大を示すものは少なく早期の段階で治療が可能であることが多いとの結語に参加者の表情も少し和らいだと思います。
3症例目は今回のメインテーマでもあるマルチモダリティを使って診断した症例を、網走厚生病院放射線技術科の岩間寛さんに報告して頂きました。MMGでは腫瘤のコントラストが弱いため石灰化が主体となって描出されていた病変が、トモシンセシスを追加することによって乳腺の重なりが減り腫瘤がよく描出されました。このように各モダリティの役割についてとてもよくわかる症例を提示していただき、MRIのDinamicやDWIの画像の特徴も学ぶ事ができました。
今回の研究会で普段なかなか知る機会の少ない各モダリティの特徴やその有用性をトータルで知る事が出来たことは、大変有意義であったと感じました。
最後に当会世話人の西成病院の林氏より 27 年度会計報告と 28 年度予算について提案があり、参加会員により無事承認されました。今後も、一層皆さんの臨床現場で役に立つ内容としていきたいと思います。
さて次回はいよいよ第20回の記念大会です。その目玉は北海道の超音波検査の先駆であります林純美さんと佐藤圭永さんに超音波の歴史をお話していただく企画であります。レジェンドのお二人のお話は、きっと私たちの今後の超音波検査の方向性をお示し頂けものと期待しております。是非多くの皆様のご参加お待ちしております。
北海道乳腺超音波研究会事務局

  【感想文】
終了後のアンケートにはたくさんの感想が寄せられました。
ミニレクチャーの説明が非常にわかりやすかったです
GEの方のお話は中々聞く機会がない内容なので勉強になりました
最新のモダリティーとその有用性、今後の方向性を知ることができてよかったです
小腫瘤を経過観察することで注意することや、他のモダリティーについて知るきっかけになりました
症例検討では珍しい症例をはじめMRIやPET-CTなどエコー以外のモダリティーでの見え方はとても興味深かったです
症例検討などとてもわかりやすく勉強になりました。小さい腫瘤などこれからの参考にさせていただきたいです
普段は部分的にしかみることができないので、検診〜診断〜手術〜病理と詳細にわかり参考になりました
乳腺エコーは始めたばかりなので新たな症例を見ることができ非常に勉強になりました


トップページへ戻る